母の高齢者講習は11人中8人しか更新できませんでした。それでも親に「運転をやめて」と言えません
高齢の親の運転、心配ではありませんか。でも地方だと、免許がない生活はとても不便です。
母の免許更新のとき、同じ日に高齢者講習を受けた75歳以上の11人のうち、その日に更新できたのは8人だったそうです。
それでも私は、親に「運転をやめて」と言えずにいます。前半は2025年2月に書いたこと、後半にその後どうなったかを書き足しました。
母の高齢者講習は、11人中8人しか更新できませんでした

母(当時77歳)は、日常的に運転をしています。買い物や病院、畑など、ほぼ生活圏内の移動だけですが、それでも車は欠かせません。
先日、その母の免許更新がありました。70歳を過ぎると「高齢者講習」を受ける必要があり、75歳以上になると「認知機能検査」も受けます。
母によると、その日の講習には75歳以上の方が11人参加したそうです。そして、最初の認知機能検査で1人が抜け、実車の指導で2人が抜けて、その日に免許を更新できたのは8人だったとのことでした。
母も今回は更新できましたが、「次は無理かも」と言っていました。
※母から聞いた話なので、抜けた方がどういう理由だったのかまでは分かりません。制度としては、75歳以上の方が更新できなくなるのは、認知機能検査で「認知症のおそれあり」とされて医師の診断を受けた場合や、一定の違反歴がある方が対象の「運転技能検査」に合格できなかった場合です。高齢者講習の実車指導そのものに合否がつくわけではありません(警視庁・認知機能検査と高齢者講習)。
「もう運転やめたら」と思うけれど、言えません
こうやって公の場で評価されて「更新できません」と言われたら、運転はやめざるを得ません。
だけど、更新できたとしても、高齢の親を持つ子からすれば「もう運転はやめたほうがいいんじゃないの」と思ってしまうものです。母が一緒に受けた人の中にも「子どもたちから運転はやめろと言われている」という方がいたそうですし、母の友人たちにも、そう言われている人が何人もいるようです。
子の立場からすると、運転しなければ生活が不便になるのは分かっているけれど、「もしも何かあったら」とやはり思ってしまうのですよね。
母も、時々道を間違えることが出てきました。私を私の家まで送っているのに、母の友人の家に行こうとしてしまったことが何度かあります。私の家と母の友人の家は近所で、母はよくその友人を家まで送っているのです。話しながら運転していて注意がそれたのが原因ですが、若いころにはほとんどなかった間違いです。
81歳の父も、自分の運転で税務署へ行きました

先日は、両親と一緒に税務署へ行きました。運転したのは、当時81歳の父です。
母とは電車で行こうと話していたのですが、電車やバスに乗るのが面倒な父が、どうしても車で行くと言い張りました。
行きも帰りも問題なく運転していましたが、駐車場ではちょっとだけ苦戦していました。昔はそんなことはなかったので、やはり高齢になって運転能力は落ちているのだと思います。物忘れも増えてきた父なので、なおさら心配です。
地方では、運転をやめたら生活が成り立ちません

住んでいる場所によっては、スーパーもドラッグストアもコンビニも遠いです。公共交通機関の本数は少なく、タクシーも少ない。バスはここ数年でますます本数が減りましたし、タクシーもコロナをきっかけに減りました。
用事があるときに私や弟が送ればいいのかもしれませんが、いつも予定が合うわけではありません。そもそも私は運転が苦手で、できれば運転したくないのです。
「運転しないで」と言いたくても、やめたら生活が不便になるのは目に見えているので、なかなか言いづらい。それが地方の現実だと思います。
運転をやめて、家にこもるようになるのも心配
言えない理由は、生活が不便になることだけではありません。
車がなくなると、出かけるのがおっくうになります。出かけなくなれば、体を動かす機会も、人と話す機会も減ります。そうやって家にこもりがちになると、体の力も、頭の働きも落ちていくのではないか。私が心配しているのは、そちらのほうです。
安全のために運転をやめてもらったのに、そのせいで一気に老け込んでしまったら。そう思うと、なおさら言えなくなります。
——ここまでが、2025年2月に書いたことです。ここからは、その後の話です。
引っ越せば運転しなくなる、と思っていました

あのころ、両親は引っ越しを控えていました。引っ越し先は、徒歩圏内にスーパーやドラッグストアがある場所を希望していて、引っ越したらできるだけ運転しないようにしたい、と母は考えているようでした。
引っ越しは無事に終わりました。希望どおり、歩いて行ける場所にお店がある家です。
それで運転が減ったかというと、ほとんど変わりませんでした。母は結局、前から行き慣れているスーパーまで、車で行っています。
環境を変えれば運転をやめる、というのは私の思い込みだったようです。長く続けてきた習慣は、店が近くなったくらいでは変わりませんでした。
父が運転するのは、グラウンド・ゴルフとタバコ

父も、たまに運転しています。週1回のグラウンド・ゴルフに行くときと、タバコを買いに行くときです。
生活にどうしても必要というより、楽しみと習慣のための運転です。だからよけいに、やめてとは言いにくい。運転をやめてもらうというのは、父から週1回の楽しみを取り上げることでもあるからです。
私たちがしているのは、月1回の送迎です
今、私たちがしているのは送迎です。母から頼まれて、月に1回は夫の車でスーパーへ連れて行っています。遠くの病院も、予定が合えば夫が連れて行きます。
それでも、月1回では足りません。だから母は、自分で運転します。
運転を続けるのなら、夜間の運転はやめる、遠出をしないといった工夫をしてもらいたいと思います。車を買い替えられるなら、運転支援システムがついたものにするのもいいのでしょう。
なお、免許を返納すると運転経歴証明書を出してもらえて、自治体によってはタクシー券やバスの割引などの支援があります。ただ、内容は自治体によってまちまちなので、調べてみないと分かりません。
母は「父の免許、通らないほうがいいかも」と思っています

父は来年、免許の更新です。
最近の様子を見ていると、認知機能検査に通らないかもしれないと思います。でも、通る可能性もあります。
母は、心配だから通らないほうがいいかも、と思っているようです。
そして、家族で免許返納の話をしたことは、実はまだ一度もありません。弟は母に「父の運転をやめさせたほうがいい」と言っていますが、父本人に言ったわけではないのです。
つまり、誰も本人には言えていない。そして、検査の結果に委ねようとしています。
結局、家族では決められないのかもしれません
「運転をやめて」と言えないのは、私たちが薄情だからではなくて、やめたあとの生活を用意できないからだと思います。月1回の送迎では、母の生活は回りません。
私たちにできるのは、少しでも安全に乗ってもらう工夫をお願いすることと、送迎を少しずつ増やすこと。それから、いざというときに話ができるように、家族の中の温度差をなくしておくことかなと思っています。
みなさんのご家庭では、親の運転についてどのように考えていますか。
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