がんばらない暮らし研究所
50代からの、軽やかに生きるヒント
親のこと

介護するのはやさしいからじゃない自分のため

話題は健康・親・仕事・ゴルフ

年末年始は、地元の友人に会う機会でもあります。
久しぶりに高校の同級生と会って話をしてきました。

友人との話といえば、40代初めくらいまでは、仕事のことや恋愛・夫婦のことなどでした。
50代になった今は、健康・親・仕事・ゴルフの話題です。
特に親の話をすることがとても増えました。

同級生なので親も70後半から80代です。
親たちも病気をしたり、物忘れがひどくなったりと心配なことが増えてきました。

介護するのはやさしいからじゃない自分のため

友達Mちゃんは、数年前からお母さんの介護をしています。
朝から夕方まで仕事をして、その後、実家に行って母親の介護。
Mちゃんがいない間は、80代の父親が介護をしています。

彼女には、お兄さんがいて、同じ市内に住んでいるのですが、お兄さんは介護には参加していません。
ただ、時々、家に来ては用事をしてくれたり、月1回の病院には車を出してくれたりするそう。

それでも、「お兄さんが介護に参加しないことにムカつかないの?」と聞いてみたところ、

「お兄ちゃんの家の事情もあるし、お母さんがお兄ちゃんには世話をしてほしくないから。
家の用事とかはお願いすればやってくれてるしね」

私なら文句を言いまくりそうですが、心が広い。

数年、彼女と父親で介護をしてきましたが、最近はお母さんの病状が進んできて、家で見るのも難しくなりつつあり、施設に入れるべきなのかを考えています。

「でも、施設に入れる覚悟ができないんだよね」

そんな言葉をいう彼女に「やさしいね。私ならすぐに施設に入ってってなりそう」というと、

「やさしいんじゃないんだよ。自分が施設に追いやったみたいに思うのが嫌なんだよ。
施設に入れたら、もう二度と家に帰ってこれないだろうなってわかってるから覚悟ができない。
優しいから介護しているわけじゃなくて、後悔したくないからやってるんだよ。自分のためなんだよ」

自分が嫌な思いをしたくないから、自分が嫌な奴に見られたくないから、だからやっている。
後になって、こうしてあげればよかった、もう少しできたかも、とか思うくらいなら、今もうちょっと頑張った方がいいかもしれないって思う気持ち。

少しわかる気がします。

それでも、私は、自分の生活を考えたら、施設に入れてしまうような気がする。
実際はその時にならないとわからないけど。
そう思うとやっぱりMちゃんは優しい人なのだと思います。

唯一の正解はないけど、自分の健康も考えて

どういう形で介護をしていくかは、唯一の正解っていうのがないと思います。

それぞれの家族の在り方や考え方、環境もあるので、それぞれの正解がある。

ただ、介護する人の健康や生活も大切にした形を選んでいくのがいいんじゃないかと思っています。

実は、Mちゃん、昨年、過労で倒れたことがあります。
一生懸命なのは素晴らしいけど、自分の体は大事にしてほしい。
私たちも50代、無理はきかないお年頃。

Mちゃんが倒れると、その負担は一緒に介護をするお父さん、そして介護をされるお母さんにのしかかり、共倒れ状態に。
そういうことにもなるし、Mちゃん自身に、私は元気でいてもらいたい。

だからこそ、無理をし過ぎない形で介護を進めてほしいです。