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静かな感動がしみじみ広がる映画『2度目のはなればなれ』

イギリス映画『2度目のはなればなれ』を見てきました。
良い映画でしたので、感想を書いていきたいと思います。

これから見ようかどうしようか考えている方に参考になれば幸いです。

『2度目のはなればなれ』のストーリーは

『2度目のはなればなれ』はイギリスの老人ホームで暮らす老夫婦のお話。

老人ホームで夫婦で暮らしているバーニーとレネ。
90歳のバーニーは、第2次世界大戦に出兵した経験があり、ノルマンディー上陸作戦にも参戦しました。

ノルマンディー上陸作戦の実行日である6月6日は「Dデー」といわれて、記念式典などがあります。
バーニーは「Dデー75周年式典」のツアーに参加申し込みをしましたが、申し込みが遅く、すでに締め切り。

でも、あきらめきれないバーニー。
奥さんのレネに背中を押され、老人ホームを一人抜け出して、式典が行われるフランスへ向かいます。
ノルマンディー上陸作戦が実施された場所で果たしたいことがあるバーニー。

レネの体調が悪くなり、バーニーが抜け出したことがわかり、騒ぎになる老人ホーム。
途中知り合った出兵経験のある男性とともに、Dデーに臨むバーニー。

レネとバーニー、それぞれの過ごす時間や思いが描かれています。

高齢者の生活や戦争への思いなど重い部分を扱いながらも、重くなりすぎず、時にはくすっと笑う部分もある映画でした。

静かな感動が広がる映画でした

夫と二人で見に行ったのですが、終わったあとの二人の感想は

「映画、よかったよね」

静かな感動が広がる映画でした。

派手さはなくて、老人が主人公なのでゆっくりした流れが多い映像。
押しつけがましくもなく、静かにいろいろな思いが押し寄せるような感じ。

90歳が言うから重みがある言葉がしみました。

サイトやポスターの二人の画像とともに書かれている、奥さんのレネの「もし、またどこかに行くことがあれば、私も一緒に行くわ」という言葉。
これが最後の最後でホロっと泣かせてくれるんです。

本当に「いい映画だったな」としみじみいうのがピッタリの映画です。

戦争の扱いは日本と違いがあるけれど

この映画の場面で、気になったのが、Dデー記念式典の前日の街の雰囲気。

Dデー記念式典が行われる前日、式典会場の街では老人たちが楽し気にお酒を飲んでいて、まるでお祭りのよう。

戦争の扱い方が日本とはずいぶん違うんだなと感じたのです。

日本では終戦記念日や原爆の日は、反省する日。
戦争を振り返り、同じことを繰り返さないよう日本を戒める日。
楽し気にお酒を飲むなんて雰囲気ではない。

これが、戦勝国と敗戦国との違いなのかなと。

だからといって、戦勝国の人々が戦争を良い思い出に思っているわけではないのです。

街中でにぎやかにする人たちがいても、ノルマンディー上陸作戦が行われた海岸では、人々が静かに追悼をしている姿が映し出されています。

そして、70年の時を経ても、戦った兵士たちは、そのころの辛い思いに苦しめられている。

勝っても負けても戦争は良い思い出になんてならなくて、その後、穏やかな人生を送っていても、心の奥底でくすぶり続けるものがある。
普通に見えても、壊れてしまっている。

でも、その思いは体験した人にしかわからないものなんだな、とバーニーを見ていて思いました。
そんな思いが自然と湧き出るくらい、90歳のバーニーを演じた俳優マイケル・ケインの演技も素晴らしかったと言えます。

夫婦ふたりで見るのもおすすめ

今をときめく旬のスターを使った、壮大なスケールの映画もいいですが、静かに考え感じさせてくれる映画もいいものです。

わかりやすく感動させたり、泣かせたりする映画よりも、静かに感動が広がる感覚の映画。

若い人よりも、私のような中年から高齢の方にお勧めしたいです。
夫婦二人でみるのもおすすめ。

もう、本当に男ってやつは、いくつになってもくだらないことをいうもんなんだなぁと思ったのですが、それでもそのくだらない会話ができる日々を大切にしていきたい。

そんな風に思わせてくれました。

手押し車を押して歩く90歳の大脱走。
その姿を見にぜひ映画館に行ってください。

『2度目のはなればなれ』の感想でした。

映画『2度目のはなればなれ』公式サイト