10月11月は、名作が少ないらしいです。
12月に大作を持ってくるので、その前の閑散期みたいな感じのようです。
そんな時期ですが、夫が見たい映画があるというので海老名まで見に行ってきました。
今回見に行ったのは、元J-walkのボーカル:中村耕一主演の『はじまりの日』。
夫は中村耕一さんが主演ということで、見に行きたくなったようです。
歌が素晴らしくて、思ったよりも良い映画だったので『はじまりの日』の感想を書きておきたいと思います。
少しネタバレになってしまうところがありますので、ご了承ください。
『はじまりの日』のストーリーは
まずは、映画のストーリーをご紹介。
かつてロックスターとして一世を風靡した男。
薬物で逮捕され、家族と離れ、一人古いアパートに暮らし始めます。
アパートの隣の部屋には、女とその母親が住んでいます。
母親は統合失調症で、夫に捨てられ、いつも攻撃的な態度。夜な夜な言い争いの声が聞こえます。
男は、清掃会社で働き始めましたが、隣に住む女も働いていました。
女は職場では真面目だけれど、人とコミュニケーションをとれずに同僚とうまくいっていません。
女は歌が好き。ある日、歌っているところを男が見かけます。
男は女の歌に才能を感じ、そこから二人の人生が動き始めます。
この映画は若い女が夢をかなえるストーリーであり、男の人生の再生のストーリーでもあります。
音楽が素晴らしい映画でした
この映画の主人公である薬物で逮捕され落ちぶれた元ロックスターの男。
その設定が男を演じた中村耕一、そのまんまなのが攻めてる。
元J-walkの中村さんは、薬物で捕まっています。
映画の中で、判決を言い渡されるシーンがあるのですが、その時の「懲役2年、執行猶予4年」も中村さんが実際に言い渡されたものと同じ。
自分の犯した罪をさらすような映画の役をよくできたなと思います。
その罪を反省しているなら、演じるにはかなりつらい役ではないかと。
「クスリ今もやっているんじゃないの。クスリ分けてよ」と言われるシーン。
現実でもこんなこと結構あったんじゃないだろうか。
そう思ったりして、少し胸が苦しくなる。
そんな暗い場面もありますが、この映画は、音楽がストーリーの中心。
歌のシーンが多く、その歌がいいんです!
女役でダブル主演の遥海の歌が超絶うまくて、その歌声に感動!
歌は英語のものがほとんどですが、歌詞が励まされるような内容でとてもよくてね。
唐突にダンサーが出てきて、踊るシーン「インド映画みたい」とか思ったりするのですが、本当に歌がうまいので、見入ってしまいました。
脇を固める俳優陣の演技が素晴らしい
周りを固める俳優陣の演技も良かったですね。
女の母親役の高岡早紀さん。
夫に捨てられ、狂気の中に生きている母親。疲れたような雰囲気とかすごくよく出ててすごい。
男関係がうまくいってなくて幸薄そうで、ずけずけ物をいう女みたいな役やらせたらうまいよね高岡早紀さん。
終盤で「これでも母親だからね」と煙草を吸いながら微笑む姿が素敵だったわ~。
男の同僚の寺田役のぐっさん(山口智充さん)も演技上手かったなぁ。
飲み屋を経営しながら、清掃のアルバイトもしている役ですが、清掃の会社ではみんなから信頼されているいいやつ。
男が前を向き始めるきっかけにもなる人ですが、中盤で早々と死んでしまうのですよね。
いい人だったのに、あっさりと「ここで死んでしまうの!」という感じでいなくなってしまいました。
もっと見ていたかったのに。
役的にいい人だったからというのもあるけど、ぐっさんのその演技が良かったから。
そして、音楽会社の社長の竹中直人さん。
これもまた、はまり役で味があってよかったです。
竹中さんの演技って好きなのですよね。
脇を固める俳優陣の演技は本当に良かった。
正直、主演の中村さんのセリフはあまりうまくないです。俳優ではないので仕方ない。
でも、セリフが少なくて、口数が少ない役どころが、素っぽく見えて、全体的には自然な雰囲気でした。
もう一人の主演の遥海さんも声はとてもきれいだけど、セリフをすらすら話過ぎている感じで、ちょっと違和感を覚える部分もありました。ミュージカルを中心にされている方のようなので、舞台っぽいセリフの言い方なのかな。
それでも、中村さんも遥海さんも歌は素晴らしい。
そして、脇を固める俳優陣の演技も素敵。
若い女性の夢をかなえるストーリーでもあり、どん底に落ちた男の再生のストーリーでもあって、見終わった後は、少し元気になる映画です。
『はじまりの日』上映されている映画館も多くなくて、派手な宣伝もされていない映画ですが、音楽好きな方、夢を追う気持ちを思い出したい方にはおすすめです。