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先日、両親が花火を見にうちに来ました。

父と母の家から、うちまでは徒歩で10分ほど。その道を、父は40分かけて歩いてきました。

ちょっと歩いては休み、ちょっと歩いては休み。それで40分です。

父は82歳。畑をやめてから、ほとんど歩かない生活になりました。歩かないから歩けなくなって、痛いからまた歩かなくなる。その途中にいる父の話です。

徒歩10分の道を、40分かけて歩いてきた

杖をついて立つ高齢者の足元

8月10日、花火の日のことでした。両親が二人で、歩いてやってきました。

家に着いた父は、特に変わった様子もありません。ソファに座って「疲れた」と言うくらいでした。

あとから聞いて驚きました。10分ほどの道を、40分かけて歩いてきたというのです。

少し歩くと足が痛くなって、休む。また少し歩いては、休む。その繰り返しで40分だったそうです。

帰るとき、父は「タクシーを呼んで帰ろう」と言い出しました。それなら、と母が弟の奥さんに電話をして、車で迎えに来てもらいました。

その同じ日に、父はタバコ屋まで歩いて行っている

たばこ屋と自動販売機のある街角

実は、同じ日にこんなことがありました。

花火の前、夫が両親の家に荷物を取りに行ったときのことです。父が歩いているのを見かけたそうです。

実家から数分のところにある、タバコ屋へ向かうところでした。

同じ日です。うちまでの10分を40分かけて歩いたその日に、タバコ屋へは歩いて行っている。

行きたいところには、行けるんだな、と思いました。

正直に言うと、仮病かなと思いました

このとき私が思ったのは、心配よりも先に「仮病かな」でした。

思わず笑ってしまったんです。普段歩かないから歩けないんだよ——と、心の中で思いました。

でも、父には何も言いませんでした。

病院で「狭窄症」と言われた

病院の問診票と聴診器

花火の日から数日のうちに、父は病院に行ったそうです。かかりつけの病院の整形外科です。

そこで言われたのが、「狭窄症」の典型的な症状だ、ということでした。

痛み止めの注射を打ってもらい、薬ももらって帰ってきたそうです。リハビリの話は、今のところ出ていません。

父が受けた説明は、こういうものでした。歩かないでいるうちに筋肉が衰えて、支えがなくなり、骨と骨の間が狭くなってしまった。ひどくなると、痛みを取るには手術が必要になる。でも初期であれば、歩いて筋肉をつけることで良くなる。だから、もっと歩くように、と。

※私は父の正式な診断名までは聞いていないので、ここに書いたのは母から聞いた話です。ただ、「少し歩くと足が痛くなって、休むとまた歩ける」という症状は、腰部脊柱管狭窄症の「間欠跛行」として知られているものに当てはまるようです(腰部脊柱管狭窄症|日本整形外科学会)。症状も原因も治療の方針も人によって違うので、気になる症状があれば医師に相談してください。

畑をやめてから、父はほとんど歩かなくなった

畑仕事をするシニア男性

思い当たることは、あります。

父は25年間、ほぼ毎日のように畑に通っていました。その畑を、去年やめました(歳をとると、興味も薄れるのか。父が畑を離れた日)。

畑をやめてからの父は、家でゴロゴロしてばかりです。

唯一の外出だったグラウンド・ゴルフも、週に1回。しかも夏になってからは、暑さで開催そのものがありません。父が車を出すのも、このグラウンド・ゴルフとタバコを買うときくらいです(親に「運転をやめて」と言えません)。

家の中では、トイレとお風呂と、食事のときに部屋を行き来するくらい。それ以外は、ほとんど歩いていないと思います。

「そんな事言われてないよ」と父は言う

テレビを見る高齢男性の後ろ姿

病院で「歩くように」と言われたはずなのに、父は今もゴロゴロしています。

母が促しても、「そんな事言われてないよ」と言うのだそうです。

言われたことを忘れているのか。それとも、歩きたくないから言っているのか。私にはよく分かりません。

痛いから歩かない、歩かないから悪くなる

腰を押さえる高齢者

もともと歩かない人が、痛みが出たことで、もっと歩かなくなる。

歩かないから、さらに悪くなる。

完全に悪循環です。ちょっと痛くても歩いてもらわないと困るなぁ、というのが正直なところです。

心配なのは、足のことだけではありません。

外に出なくなると、刺激がなくなります。今でも物忘れがひどくて、ぼんやりしていることが多い父です(「認知症ではない」と言われた父。でも、物忘れはひどくて)。このまま家から出なくなったら、頭のほうもどうなるんだろう、と思ってしまいます。

母は、杖を買って玄関に置いた

玄関に立てかけられた杖と、靴を履く足元

母は母で、考えているようです。父のために杖を買って、玄関に置いていました。

夫の母も、前から足が悪く(こちらは狭窄症ではありません)、最近はシルバーカーを押して歩いています。座れるタイプなので、疲れたら途中で腰を下ろして休めます。あれがあると、だいぶ歩きやすそうです。

シルバーカーというのは、こういうものです。

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休み休みでないと歩けない父にこそ、途中で座れるものは合っているのかもしれません。父にも買ってあげたらどうかな、とは思いました。

……でも、嫌がるでしょうね。目に浮かびます。

※体に合うかどうかは人それぞれなので、実際に選ぶときは店頭で試したり、医師やケアマネジャーさんに相談すると安心だと思います。

カーブスでは、父より年上の人が元気に動いている

ウォーキングする女性たちの後ろ姿

私が通っているカーブスには、父より年上の方がたくさんいます(10年ぶりに戻ったカーブス)。皆さん、元気に体を動かしています。

あの人たちを見ていると、思うんです。

元気だから体を動かせるのではなくて、体を動かしているから元気なのかもしれない、と。

年をとっても体を動かすことは大切なんだな、と、父を見ていて思いました。

これは、父の話であると同時に、たぶん私自身の話でもあります。

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