アルバイトをしていたとき、130万円の壁を超えそうになったことがあります。2025年の秋のことです。

以前も130万円の壁について書いたことがありますが、そのときに考えていたことが、現実になりました。

結論から言うと、救済措置を申請して、扶養のままでいられました。

そのときの手続きと、2026年4月に変わったことを書いておきます。

※制度の詳細は、厚生労働省のサイトや、加入している健康保険組合でご確認ください。ここに書くのは、私が実際にやったことです。

会社の新事業で仕事が増えて、130万円を超えそうになった

ノートパソコンで仕事をする女性

アルバイトとして働いていた会社での話です。

会社が新事業をはじめ、社長に頼まれて、私も業務内容と勤務時間を増やしました。

このままいくと、この年の年収は130万円ギリギリ。

その後、さらに仕事が忙しくなって、残業をしたり、出勤日を増やしたり。これだと、確実に130万円を超えてしまいます。

出勤日数を調整すればいいのかもしれませんが、仕事の状況からして、それは難しい。

勤務先の社労士さんに聞いてみた

机をはさんで相談する二人

130万円を超えたら、社会保険の扶養から外れてしまう。どうにかならないかと思っていると、人手不足や新事業などのために、一時的に勤務時間が増えて130万円を超えてしまう場合の救済措置があることがわかりました。

私は夫の扶養に入っているので、夫が加入している健康保険組合に申請して、認められたら、130万円を超えても扶養に入ったままでいられるのです。

申請を出してみようかと考えたとき、勤務先が契約している社労士の先生に、出せるかどうか聞いてみました。

「承認されるかどうかは、加入している健康保険組合しだい。金額的には大丈夫」

つまり、出してみないと分からない、ということでした。

「協会けんぽ」なら通りそうだった

健康保険被保険者証

夫が加入している健康保険組合は、協会けんぽです。

ネットで調べてみると、協会けんぽはこの申請を承諾してくれそうでした。

それで、出してみることにしました。

書類の記入は、数分で終わった

書類にペンで記入する手元

必要なのは「一時的な収入変動に係る事業主の証明書」です。厚生労働省のサイトからダウンロードできます(PDFとWordがあります)。

発行してもらうのは私の勤務先ですが、社長と数人しかいない会社です。証明書を作成してくれる事務員などはいません。

私が書類を記入して、社長に承認してもらう形で作成しました。

記入自体は簡単で、数分あればできます。

夫の会社に渡すのが、ちょっと気まずかった

「申請」と書かれた紙を持つ手

この書類は、夫の会社を通して協会けんぽに提出します。

正直、ちょっと気まずさはありました。会社の手間を増やすことになるからです。

でも、出さなければ社会保険料が確実にかかる。気まずくても出さなければ、と思って渡しました。

余談ですが、夫の会社に書類を渡したところ、その会社のパートさん(旦那さんが同じ会社の社員)も「出しておいたほうがいいのでは」ということになって、一緒に提出したそうです。

知らない人が、まだ多いのだと思います。

連絡がない=承認された、ということだった

家の前の郵便ポスト

提出しても、特に連絡はありませんでした。

そして、私は扶養のままでした。

どうやら、承認された場合は特に連絡がなく、承認されないときだけ連絡があるのだそうです。

結局その年の収入は、130万円を数十万円超えました。それでも扶養のまま。救済措置とは、そういう制度です。

2年目は使わずに、仕事を辞めました

ノートパソコンと観葉植物のある机

この措置は、原則として連続2回まで使えます。翌年も申請できることは知っていました。

でも今年(2026年)、私はその仕事を辞めました。

仕事量は減りそうもなく、今年も同じように働けば確実に130万円を超えます。かといって、会社の社会保険に入れてもらえそうもない。

業務内容が増えて、労働時間も増えて、心理的な負担も増えました。でも、待遇はそれまでと一緒です。

もともと、夫と休みを合わせられることも、この会社を選んだ理由のひとつでした。それなのに、夫と休みが合わない日も出てきました。

そういうこともあって、辞めることにしたのです。

【2026年4月から】ルールが変わりました

「変更」と書かれた付箋

私が申請したのは2025年のことです。

実は2026年4月から、扶養に入れるかどうかの判定方法が変わりました。

これまでは、過去の収入や今の収入から「今年はいくらになりそうか」を見ていました。それが、労働契約書に書かれた内容——時給、所定労働時間、所定労働日数など——から年収の見込みを計算する形になったのです。

そして、労働契約に決められていない残業代は、この見込みに入れなくてよいことになりました。

つまり、私のように「残業が増えて超えそう」というケースなら、今は申請しなくてもよくなった可能性があります。

でも、契約書がちゃんとしていないと使えない

契約書と印鑑

ここに落とし穴があります。

私が入社時に交わした労働契約書には、時間数も日数も時給も、具体的には書かれていませんでした。

社労士さんに救済措置のことを質問したとき、こう言われたのを覚えています。

「契約書で、通常勤務だと130万円を超えないことがわかるようにしておいたほうがいい」

当時はピンときていませんでした。でも、新しいルールを知った今なら分かります。

契約書に具体的な数字が書かれていなければ、「契約上は130万円を超えません」と示すことができないのです。

新ルールは一見ありがたい話ですが、契約書がぼんやりしている場合には、そのままでは効かないかもしれません。

同じ状況になりそうな人へ

青空に向かって両手を広げる女性の後ろ姿
  • 超えそうだと気づいたら、勤務先に社労士さんがいれば、まず聞いてみる
  • 承認するかどうかは健康保険組合しだい。配偶者の加入先を確認する
  • 書類自体は簡単。気まずいけれど、出さないと社会保険料がかかる
  • 連絡が来ないのは、たぶん承認されている
  • これからは、労働契約書に時給・時間・日数が書かれているかを確認しておく

そして、これはお金だけの話ではありませんでした。

私が辞める決め手になったのは、社会保険に消極的な会社で働き続けることへの疑問と、夫と休みが合わなくなったことでした。

壁を超えるかどうかを考えることは、どう働きたいかを考えることでもあるのだと思います。

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