先日、私の両親が引っ越しをしました。
ひとことで言うと——荷物との戦いでした。
同じ思いをする人、きっと多いと思います。
だから、わが家の記録を残しておきます。
引っ越しのきっかけは、道路工事
両親が引っ越すことになったのは、道路工事で土地が買収されたからです。
同じ市内に、弟夫婦と一緒に二世帯住宅を新築。
新しい家は、元の家から車で10分くらいのところです。
引っ越し自体は数年前から決まっていたので、時間はありました。
……でも、それでも荷物は片づかないんです。
母は「まだ使える」が捨てられない人

うちの母は、もったいない精神がとても強い人。
「まだ使える」と、なかなかものを捨てられないタイプです。
おまけに、知り合いから着なくなった服などをもらってきます。
母がそういう人だと知っているので、友達も「いるならあげるよ」と声をかけてくる。
そうして、ものはどんどん増えていきます。
もらったけど結局いらないものは、バザーに出していたそうです。
でも、コロナでバザーが開かれない時期が続いて……。
家には、ものが溜まりに溜まっていました。
数年かけて、少しずつ処分した

引っ越しが決まっていたので、少しずつ処分は進めていました。
私も、実家のいらないものを引き取って、フリマアプリで200点くらい売りました。
売り上げは、なんと十数万円。
押入れ2間分くらいは売ったと思います。
着物もたくさん出てきました。
一部は買取に出して、業者さんに家まで来てもらったのですが——
着物って、あんまり需要がないみたいで。
柳ごおり1箱分と紐などの小物を合わせて、やっと1000円くらいでした。
「えっ、これだけ…?」と、ちょっと驚きました。
そのとき、買取の方がいろいろ教えてくれました。
売られた着物の多くは、最近は着物のレンタル屋さんに引き取られていくそうです。
観光地で、海外の方が着物をレンタルして街を歩いていたりしますよね。ああいうところ。
だから、丈の長い着物のほうが需要があるんだとか。
それと、
- 有名な作家さんのデザインの着物は、高値がつくことがある
- 大島紬は、鑑定書(証明書)があれば、高く買い取ってもらえることがある
なるほど〜と、聞きながら感心してしまいました。
これから着物を手放す人は、作家ものや大島紬、証明書がないか、いちど確認するといいかもしれません。
……と、いろいろ処分したのですが。
それでも着物は、まだまだいっぱい。
柳ごおり3箱分は残っていたと思います。
母は、着物をリメイクしてバッグなどを作るのが好きなんです。
「それに使うから」と、残してある。
いやでも、さすがにそんなにいらないでしょ……と思うんですけどね(笑)
それでも、ものは減らない
これだけ処分しても、実家はまだまだ、ものでいっぱい。
しかも実家は3階建ての3階。
ゴミ捨て場に行くのも一苦労です。
高齢の親に大きなゴミを持たせて、階段で滑って落ちでもしたら大変。
そう考えて、最後は弟が、家の取り壊し業者にまとめて処分してもらうことにしました。
「終活でものは減らす」と言いつつ…
両親は80代と70代後半。
「終活も兼ねて、ものはできるだけ新しい家に持っていかない」
——と、言ってはいたんです。
でも、やっぱり捨てられない母。
「これ、本当にいる? 今なら安くて、もっといいの買えるんじゃない?」
そう思うものも、処分しない。
引っ越し前日、荷物まとめの手伝いに行くと、まだタンスや押入れにものがぎっしり。
持っていく服と捨てる服に迷う母と、一緒に選別。
悩むものは後回しにして、とにかく仕分けていきます。
なんとか1部屋片づけて、次の部屋へ。
夕方まで手伝っても、まだ箱に入っていない荷物がたくさん。
「明日、運び出し大丈夫…?」という状態でした。
当日は、ギリギリの箱詰め

翌日の午前中、引っ越し屋さんが来る予定。
だから早朝から、残った荷物を箱詰めしました。
幸い同じ市内なので、積み忘れても、あとで自分たちで運べる。
そう思うと、ちょっと安心。
……でもそのぶん、「やっぱり持っていく」というものも、たくさん出てくるんですけどね(笑)
スタッフさんが来てもまだ箱詰めしていて、なんとかギリギリ間に合った感じでした。
新居でも、荷物との戦いは続く

荷物を出したら終わり、ではありません。
今度は新居に運び入れて、整理です。
さあ移動しよう、という時になっても、「これも持っていく」と母。
車にあれこれ積んでいきました。
運び入れは、引っ越し屋さんがスピーディー。
家具の組み立てや設置も次々やってくれて、本当にありがたい。
それでも荷物が多くて、2時間くらいかかりました。
ちなみに父は、自分の身の回りのものだけまとめて、あとは母まかせ。
でも、自分の部屋に置かれた荷物は、さっさと自分で整理していました。
母はというと、荷物が多すぎて、なかなか進まない。
どこに置くかは母が決めるので、決まらないと私も動けない。
リビングいっぱいの箱を半分以上片づけて、なんとか過ごせるようにしたところで、母も疲れて「あとはゆっくりやる」と。その日は終わりにしました。
母の部屋は、6畳+ウォークインクローゼット。
それでも持ってきた荷物でいっぱいで、布団も敷けない。
結局、母は部屋が片づくまで、1か月以上も客間で寝ていました。
どんだけ持ってきたんだ……と、あらためて思いました(笑)
なぜ、この年代は捨てられないのか

うちの母だけじゃありません。
夫の母が引っ越したときも、思った以上に荷物が多かった。
友人の親の引っ越しも、「捨てたら?」と言っても、やっぱりものでいっぱいだったそうです。
たぶん、この年代の人は、なかなか捨てられないんですね。
- もったいないという気持ち
- 思い出があって、手放しがたい
- 年齢的に、判断する力や体力が落ちて、片づけ自体が大変
そういう理由が、重なっているんだと思います。
ちなみに、わが家はワゴン車1台で引っ越した

ちなみに、私はミニマリストではありませんが、ものを増やさないようには気をつけています。
おかげで、家の中はわりとスッキリ。
東京から夫婦で地元に引っ越したときも、家具は引っ越し先にあるものを使うことにして——
洗濯機も冷蔵庫も、その他の荷物も、ぜんぶワゴン車1台に積んで運びました。
だからこそ、あの荷物だらけの実家が、ちょっと信じられない(笑)
おまけ:こっそり夫に頼む母
引っ越しでは、大量のゴミも出ました。
業者に頼むと処分料が高い。
だから、捨てられるものはできるだけ自分たちで、ということに。
ちょうど引っ越しの翌日がゴミの日だったので、朝、元の家に行って、大量のゴミをゴミステーションまで運びました。これがまた大変で。
しかもそのついでに、「持っていきたいものがある」と、また母から荷物の運搬を頼まれて……正直、ちょっと呆れてしまいました(笑)
そのあと私は仕事へ。
すると、私が仕事の間に、休みだった夫に母が直接お願いして、また荷物を運ばせていたんです。
私に言うと怒られるから、夫にこっそり頼んだみたいで。
……もう、笑うしかありません。
半年たって、母が言ったこと
引っ越しから半年以上たった今になって、母がこう言うんです。
「これから終活で、もっとものを整理しなくちゃと思うの」
……いやいや。
だったら、引っ越しのときに捨てておけばよかったのに(笑)
捨てるのにも、手間も時間も、お金もかかるんですから。
でも、ひとつだけ変わったことがあります。
人からものをもらってくるのは、食べ物以外、引っ越しを機にやめたみたい。
少しずつでも、変わってきているのかな。
いつか、自分も
今回つくづく思いました。
ものを減らすのは、元気なうちに、少しずつ。
歳をとってからまとめてやろうとすると、判断力も体力も追いつきません。
これは、親の話だけじゃない。
いつか自分も通る道なんですよね。
わが家のものも、少しずつ見直していこう。
そう思った、親の引っ越しでした。
【これから親の片付け・引っ越しをする人へ】

最後に、わが家の経験から、少しだけヒントを。
- 元気なうちに、少しずつ。高齢になるほど判断力も体力も落ちて、片づけ自体が大変になります
- 売れるものは早めにフリマアプリへ。私は200点ほど・十数万円になりました(押入れ2間分!)。時間がかかるので早めが◎
- 着物は期待しすぎない。ただし有名作家ものや大島紬(証明書あり)は高値がつくことも。査定は無料のことが多いので、一度出してみる価値はあります
- 大量処分・大物は、無理せず業者も検討。高齢の親に階段でゴミを運ばせるのは危険です
- 処分には手間・時間・お金がかかる。「いつかやる」より「今、少しずつ」が結局ラクです

