先日、映画「ソーゾク」を観てきました。
タイトルでピンとくる方もいるかもしれません。
そう、「相続」がテーマの映画です。
コメディだと思って観に行ったら……これが、笑うに笑えない映画でした。
地元の会館で、月に一度の映画上映

わたしの住む町では、地元の会館で月に1回、映画の上映があります。
ときどき、ふらっと観に行くのが楽しみのひとつ。
今月の作品が「ソーゾク」。
相続がテーマと聞いて、気になって足を運びました。
コメディなのに、笑うに笑えない
観る前は、コメディだと思っていました。
たしかに、相続をめぐるドタバタには、笑える場面もあります。
でも——「あ〜、これ、ありそう」と思うと、笑うに笑えない。
妙にリアルで、考えさせられる映画でした。
終わり方も、ちょっとすっきりしない。
でも、それこそが相続なのかもしれません。
相続は「普通の家」こそ揉める

映画の中で言われていて、なるほどと思ったことがあります。
相続って、「普通の家」が揉めるんだそうです。
それなりに財産がある家は、もともと準備をしているから、案外揉めない。
逆に、何の準備もしていない・知識もない普通の家こそ、揉めてしまう。
「うちは財産なんてないから大丈夫」——
いちばん危ないのは、その考えなのかもしれません。
映画に出てきた「揉めるポイント」

映画には、揉めるポイントがいくつも出てきます。
「あるあるだなぁ」と思ったものを、まとめてみました。
① 兄弟姉妹で意見が合わない
平等に分ければいい、と思いますよね。
でも、それぞれが自分の立場や「親への貢献度」を主張して、まとまらない。
しかも「平等」って、お金だけじゃないんです。
「自分はこんなにやったのに」という、気持ちの平等もある。
これが、いちばん難しい。
② 財産のメインが持ち家
これが、普通の家が揉める大きな原因。
家が主な財産だと、分けるのが本当に難しいんです。
共有名義にすると、後々面倒。
誰か一人のものにすると、金額的に不平等。
かといって、差額を現金で渡すのも、なかなかできない。
③ 相続人の配偶者が口を出す
相続する人の夫や妻が、権利もないのに口を出すと、こじれます。
ほかの兄弟姉妹からすれば「関係ないのに」。
本人たちだけなら、まとまったはずなのに——と。
④ 相続と関係ない人が、実家に住んでいる
映画では、亡くなった母が、亡き長男のお嫁さんと一緒に暮らしていました。
相続の権利はないけれど、実家に住んでいる。
お世話になったから、少しは分けてあげたい。でも、家からは出ていってほしい。
それを、なかなか言い出せない。
揉めるというより、困る。
こういうのも、ありそうですよね。
⑤ 遺言状があっても揉める
遺言状があれば安心、とも限りません。
その内容に納得できなければ、やっぱり揉める火種になる。
そして映画では、兄弟姉妹で揉めて、調停に。
これがまた大変そうで。
お互いが納得するまで続くので、長い時間がかかる。
それでもまとまらなければ、裁判です。
数百万円のことで、兄弟姉妹が裁判で争う……
なんだか、悲しいですよね。
わが家の場合

観ながら、自然と自分の家のことを考えていました。
うちは最近、両親が道路工事に協力して、実家が新築に移転しました。
新しい家は、二世帯住宅です。
その家を建てる前に、一度、相続専門の司法書士事務所に相談に行きました。
そのとき弟は、「家は、お金を姉に払ってでも自分が所有したい」と言っていました。
わたしは、それでいいと思っています。
弟夫婦には子どもがいないので、いずれ墓じまいも必要になる。
その費用を出してくれるなら、弟からのお金はいらないかな、と。
……でも。
今はそう思っていても、将来、気持ちが変わるかもしれない。
たとえば、親の介護の負担しだいでは、「自分はもっともらってもいいはず」と思う日が来るかもしれない。
それに、もし映画みたいに、弟のお嫁さんだけが家に残ったら?
そんなことを考えると、元気なうちに公正証書遺言を作っておいてもらうのが、いいのかもしれません。
夫の実家は「負動産」だった

実は、夫のお父さんが亡くなったときも、ちょっと揉めました。
夫の実家は、借地に建つ持ち家。
お母さんはまだ健在ですが、「お母さんが亡くなったときに、また名義変更するのは大変」ということで、夫か義妹のどちらかに名義を変えることに。
最初は、実家の近くに住む義妹が相続する話でした。
でも、手続きを押し付けられたと感じたのか——義妹は、さっさと相続放棄の手続きをしてしまいました。
それで、夫の名義に。
でも、相続してから思うんです。
「この家、この先どうするの?」と。
築60年ほどの連棟住宅で、家の価値はほとんどなし。
お母さんが住まなくなっても、遠く離れて暮らすわたしたちが住むことはありません。
土地を返すにも、家を取り壊すお金がかかる。持ち続けるのも……。
いわゆる「負動産」というやつです。
引き継いだ遺産が、必ずしも価値があるとは限らない。
特に不動産は、そうなんですよね。
財産があってもなくても、相続は悩ましい
財産があってもなくても、相続は悩む。
できれば、元気なうちに家族で話し合っておくのがいい。
……とはいえ、これがなかなか難しいんですよね。お金の話は、切り出しにくい。
映画では、「相続診断士」という専門家にお願いして、いろいろ進めていきます。
家族だけで抱え込まず、そういう専門家に入ってもらうのも、ひとつの方法だなと思いました。
ちゃんとした知識のある人のアドバイスがあれば、納得できる部分も増えるはずですから。
まとめ
「うちは、揉めるほどの財産はないから」
そう思っている家こそ、いちど考えてみてほしい。
元気な今だからこそ、話せること、決められることがあります。
わが家も、少しずつ考えていこうと思います。

