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高齢の親のことが、なんとなく心配。
まだ介護が必要なわけじゃない。
病気でもない。
でも、前より弱ってきた気がする。
そんなふうに感じている人、けっこう多いんじゃないでしょうか。
実はわたしも、その一人です。
うちの父も「病気じゃないけど、心配」
うちの父は、特に大きな病気をしているわけではありません。
でも最近、家でゴロゴロしてばかり。
前はできていたことが、できなくなってきました。
元気といえば元気。
でも、見ているとやっぱり心配なんです。
「これって、どう向き合えばいいんだろう」
そう思っていたときに、気になる本を見つけました。
ジェーン・スーさんの『介護未満の父に起きたこと』。
タイトルを見た瞬間、「これ、今のうちのことだ」と思いました。
“介護未満”。
まさに、その言葉どおりの時期に、わたしはいます。
80代の父と、離れて暮らす娘の話
この本は、82歳のお父さんと、その娘であるスーさんのお話です。
スーさんのお母さんは、ずいぶん前に亡くなっていて、お父さんは一人暮らし。
ある日、スーさんはお父さんの様子を見て、ハッとします。
思っていた以上に痩せていて、家の中は荷物だらけ。
それまでは、お父さんに恋人がいて、その方が食事の世話や家の片づけをしてくれていたそうです。
でも、その人が離れていったことで、お父さんの生活が一気に崩れてしまった。
食事はおろそかになり、家も散らかったまま。
「なんとかしなきゃ」と奮闘する娘の姿が、ていねいに描かれています。
「離れて暮らしたまま」親の世話を焼く
この本でいちばん参考になったのが、ここです。
スーさんは、お父さんと一緒に暮らすことは選びませんでした。
離れて暮らしたまま、いろいろ工夫をするんです。
たとえば、お父さんが簡単に食べられるように、レトルト食品が定期的に届くようにしたり。
アレクサ(音声で使えるスピーカー)を買って設置したり。
同居しなくても、できることはこんなにある。
そのことに、すごく勇気をもらいました。
ちなみに本のなかでは、ペットボトルのフタが開けられなくなる…なんていう、小さな変化も出てきます。
「うんうん、こういうことなんだよなあ」と、うなずきながら読みました。
歳をとった親に向き合うのは、やっぱり大変
読んでいて、何度も「わかる…」とつぶやいてしまいました。
歳をとった親に対応するのって、本当に大変。
これは、どこの家も一緒なんだなあと思います。
コロナのワクチンを予約させるのに一苦労したり。
こちらが良かれと思って言っても、なかなか聞いてもらえなかったり。
スーさんも、そういう場面にたくさんぶつかっています。
それでも、お父さんへの接し方が、いつもどこか優しい。
読みながら、いい親子関係だなあと感じました。
うちの場合は、どうだろう
読みながら、自然と自分の家のことを考えていました。
うちは今のところ、実家が歩いて行ける範囲にあります。
弟夫婦も、二世帯住宅で実家に住んでいる。
だから、何かあれば近くで面倒を見られる環境ではあるんです。
でも、夫の母――義母は、遠く離れた場所で一人暮らし。
そうなると、「離れていてもできること」は、まさに知りたかったこと。
この本の工夫は、義母のことを考えるうえでも、すごく参考になりました。
ただ、正直に言うと――
同居してまで面倒を見るのは、わたしには考えられない。
冷たいかな、と思うこともあります。
でもこの本を読んで、「離れたままでも、できることはある」と知れて、少し気持ちが軽くなりました。
「介護未満」の今だからこそ
介護が始まる前の、この時期。
何をすればいいのか、情報はなかなかない。
だからこそ、こうして先を歩いた人の話が、ありがたい。
まだ元気なうちに、考えておく。
それだけでも、ずいぶん違う気がしています。
同じように「まだ介護じゃないけど、親が心配」という方には、そっとおすすめしたい一冊でした。
……ただ、読み終えて、ひとつ思ったこともあります。
もし父だけが残されたとき、わたしは、ここまで父のために動いてあげられるだろうか。
正直、自信はありません。
でも、こうして元気なうちに考えておけたことは、きっと無駄じゃない。
そう思えただけでも、読んでよかったです。
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