映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』を観て家族と自分の将来を考えた
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家族や自分が認知症で介護が必要になったら…
そんなことを考えさせられる映画を観てきました。
シルバーウィークの最終日、母と夫と私の3人で、ドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』をうちの街の小さな映画館・金星シネマで観てきました。

▶ うちの街にも映画館ができた。伊東の小さな映画館・金星シネマ
認知症の母と介護する父、そして一人娘の話

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』は、広島・呉に住む両親と、東京に住む一人娘のお話です。この一人娘である信友直子さんが、監督・撮影・語りをしています。
ある時、直子さんが久しぶりに実家に帰ると、87歳の母親の様子がちょっと変なことに気がつきます。買ったのを忘れて、同じものを幾つも買ってきている。
95歳の父親に聞いてみると、最近の母親は物忘れが多い様子。病院に連れて行くと、アルツハイマー型認知症の初期と診断されます。
そこから時々実家に帰るようにするのですが、母の症状は少しずつ進み、料理や洗濯もできなくなっていきます。それまで家事は母親任せで何もしてこなかった父親が、家事を担うようになります。95歳、頑張ってはいるけれど、大変そう。
そこで、仕事をやめて実家に戻ろうかと考える直子さんに、父親はこう言います。
「体が動くうちは、わしがやる。あんたはあんたの仕事をせい」
仕事をやめることなく、できる限り実家に通い、両親の様子をカメラに収めることにするのです。
認知症になった本人も、悩んでいる

直子さんは45歳のときに乳がんになり、そのときにお母さんが支えてくれて乗り切ってきました。そのシーンもあり、そこには明るく、チャキチャキしていたお母さんが映っています。
そんなお母さんが認知症で変わっていく。料理上手だったのに料理ができなくなったり、寝てばかりになってしまったり。
とはいえ、認知症になっても、すぐにいろいろなことを忘れたり、わからなくなったりするわけではありません。
お母さん「(自分自身が)変だよね。どうしたんだろ」というようなことを言ったり、「みんなの邪魔になるから死にたい」と泣きわめいたりしているシーンがあります。
認知症になって本人も悩んでいる。でも、どうしようもできない。
そして、そうやって悩んでいたこともそのうち忘れてしまう。
そういう姿を見るのも家族として辛いんだろうなと思います。
家族としては、わからないことやできないことが増えても、毎日笑って過ごしてほしい。
でも、そうも行かない日もある。そんな様子が胸にしみました。
子どもがいない私たちは、誰が気づいてくれるのか
親の介護を、受け入れられるだろうか

私の親は、今は介護が必要な状態ではありません。
でも、自分が介護をすることになったら、こういう親の姿を受け入れられるのだろうか。優しく接することができるのだろうか。ちょっと難しいかもしれません。
準備したことも、忘れてしまうかもしれない

そして、自分が高齢になったら。
私たち夫婦には子どもがいません。例え月80代や90代になって、夫婦のうちどちらかが「おかしい」と思っても、病院に連れていけるのか。誰かが私や夫の異変に気づいて、病院や行政に繋いでくれるのだろうか。
老後資金は準備しています。介護保険についてなど、人から聞いたりしてちょっと調べたりはしています。
でも、早いうちから老後のことを準備しておいたとしても、準備したこと自体を忘れてしまうかもしれない。
ちょっと将来が不安な気持ちになりました。
話したり歌ったり、楽しく生活するのが秘訣

映画の中で、お母さんの元主治医という方が
「声を出すということはいいこと。声を出すと脳が活性化される。人と話したり、歌ったりするのはとてもいいことですよ」
というようなことを言っていました。
確かに、映画の中で95歳のお父さんはよく歌っているのです。だから元気なのかと。
それに比べて、私の父は、82歳ですがここ数年物忘れが激しいです。その父は、自分の部屋にこもってゴロゴロしてばかり。体も頭も日に日に弱っているように見えます。
結局、高齢になっても、いろいろな人と話したり、歌を歌ったりと楽しく生活することが、元気に生きる秘訣なのかもしれません。
家族や自分が認知症になったら…と考えてしまうけれど、まずは、できるだけそうならずにいられるように、生活を考えていきたいものです。
この映画は、DVDと本(新潮文庫)にもなっています。
興味のある方はぜひ観てくださいね。見るときは涙を拭くハンカチやティッシュが必要かも。

